建物が密集する東京の住宅地で、外へ大きく開くだけでは落ち着いた暮らしをつくれません。「都市にひらく、小さな森」は、延床約133㎡の住まいの中央に中庭を置き、家の内側へ光と風景を引き込んだ計画です。AO Design Studioの設計者(サンプル人物)と住まい手への取材から、中庭を飾りにしない工夫を紹介します。

採光の装置から、家族が使う場所へ
——なぜ吹き抜けではなく、地面のある中庭を選んだのでしょう。
設計者:光だけなら吹き抜けでも得られます。しかし土、樹木、雨、匂いがあることで、暮らしの感覚が外へ広がります。食事の途中に葉の揺れが見え、窓を開ければ風が抜ける。面積以上の豊かさを生む場所です。
——周囲からの視線への対策は。
設計者:外周の窓を必要最小限にし、主要な部屋を中庭へ向けました。空は開きながら隣家の窓とは視線が合いにくい。夜は中庭を明るくしすぎず、室内の映り込みも抑えています。

家事動線は短く、居場所の選択肢は多く
キッチンから洗面、物干し、ファミリー収納へは回遊でき、行き止まりを減らしています。一方、居間、窓辺のベンチ、中庭、二階の小さな書斎には、それぞれ異なる明るさと距離があります。効率を求める場所と、目的を決めすぎない場所を分けることで、家族が同じ家の中で無理なく別々に過ごせます。
——中庭は手入れが大変ではありませんか。
住まい手:落ち葉はありますが、掃除を家事とだけ考えなくなりました。朝に庭へ出て状態を見る時間が、季節を知る習慣になっています。自動散水に任せる部分と、自分たちで手をかける部分を最初に決めたのもよかったです。
——住み始めて予想外だったことは。
住まい手:子どもが中庭を近道として使うことです。室内の回遊と外の回遊が重なり、家の中に小さな街路ができたように感じます。

中庭住宅を検討するときの確認点
中庭は光を取り込む一方、方位や壁の高さによっては冬に暗くなり、熱や湿気がこもる場合もあります。窓の開閉方法、排水、植栽の成長、外壁やガラスの清掃経路まで、平面図だけでなく断面図と季節ごとの日射で確認することが大切です。
この住宅では、庭の面積を大きくすることより、食卓、キッチン、居間のどこからどう見えるかを優先しました。都市の自然は量だけでは測れません。毎日気づける位置にあることが、小さな森を暮らしの一部にします。
※本記事は投稿構成を確認するためのサンプルです。人物名、建物情報、コメントは架空で、写真は生成したサンプルイメージです。